2019年2月17日
心理相談をしたら、実務が大切だった話

最近は、ネットゲ廃人という言葉が生まれたが、元々ゲームには魅力がある。
そのゲームを複数の仲間と共有することで、抜け出せない状況になり、困っている人がいる。

2〜3年前、ネットゲームの悩みで相談に来られた方がおられた。
私自身は、そういうゲームをやったことがなかったので、単純に「やめたら、どうですか?」と発言したことがある。
しかし、自分が抜けたら、仲間のチーム力が弱まるし、自分の装備を強くするため、他の人がお金を出して買ってくれている。
そういう状況を考えたら、放置しておけない。
自分が抜けたら、他の人に迷惑になるから、抜け出せないというのだ。

結局、その方の役に立つことができなくて、2回ほどの来院で途絶えてしまった。
同じ頃、他にもネトゲで相談された方がおられたと思う。

それは、その方の「生き方の問題」であり、こちらがどうこう言うことではない。

また、隣の事業所は、木材を扱う会社なので、早朝から、木を切る騒音が絶えがたいという相談があった。
この問題も、どうしてもあげられなかった。

他には、隣の飲食店が、ものすごい悪臭を出してくるので、たまらないという悩み相談があった。
これも、どうにもならなかった。

こういうものは、心の相談ではなく、法律的な相談の方がより適しているだろう。

別件で、アパートに住んでいて、隣の部屋の人が意図的としか思えないような騒音を発しているという相談があった。

こちらは、持ち家ではなくて、賃貸なので、大家か管理会社に実情を伝えて、解決を図ることを勧めた。

それから、それでも、どうしようもない場合は、我慢するよりも、いっそ、引っ越しした方がいいのではないかということを伝えた。
その方は、「引っ越し」ということが頭になかったため、新しい視点で、行動に移す決意をされた。

その際、引っ越しは、不動産業者をあたることが普通だが、適当に訪れるより、インターネットサイトで、物件を検索して、興味のある物件を扱っている不動産屋に行く方が効率的かもしれないと助言した。

その方の行動は早く、すでに物件を押さえている。
さらに、引っ越し業者も決めたらしい。

正直言って、そこまで早く動く方とは思っていなかった。

最後の引っ越し業者については、大手の業者を選んだようだが、実は、業者に迷惑をかけない程度に相見積もりをとって、それから、決めてもよかったという話をした。

それでも、数万円の違いはあるかみしれないが、決定的な損失にはならないだろう。

別の患者さんで、業者を通さず、自分たちで、引っ越しをしたら、最後の方は、ヘトヘトになって参ったという話をされたことがある。
大きなものは、移したが、雑多な荷物が取り残されている。
しかし、夫婦ともに、心身ともに疲れ果ててしまったという。

それなら、少数の荷物なら、業者に任せると、3万円か、それ以内で引き受けてくれることがある。
その話をしたら、思ったより少額で助かったと後で伝えてくれた。

引っ越しする間に疲れるだけでなく、仕事が滞るなら、業者に任せた方がいい。

心理的に悩ましいけれど、心理的な相談をしてもよくならない事項も多い。
実務レベルで解決することができたなら、その方がいいことを実感した。

物事は、俯瞰的な目で見て、それから、詳細を検討する方がいい。