2018年9月18日
景気がいいとは思わない、これだけの理由

現在、本当に人手不足に陥っている。
概ね、どこも言っている。

多くの企業は、ギリギリの人数でやっている。
それで、仕事が回らないから、残業もしている。
さらに人が減って大丈夫なの?

いや、大丈夫ではないだろう。

バブル時代以上の人手不足
ならば、景気がいいはずじゃない?

現在、長期にわたる好景気が続いていると一部の識者はいう。

→ 本当に?

景気がいいなら、賃金が上がるはずだよね。
そう、私の県でも、最低賃金が引き上がっている。

大手上場企業の賃上げが行われた。
公務員の給料も引き上げられた。

▲では、日本人の平均給与が下がっているのは、なぜ?

★日本のGDPは、ここ何年も、増えていない。
→ 景気がいいなら、GDPが増加しているはずじゃない?

1人あたりのGDPは、先進国でも下の方になる。
→ 日本人は、本当は、貧しい?

★トヨタは、過去最高の収益にも関わらず、政府の要求する3%の賃上げを渋った。
→ 将来に危機感を感じているのじゃない?

★収益が大きかった三菱UFJ銀行をはじめ、都市銀行3行は、合わせて、2万人を超える人員削減を行う予定にしている。
→ バラ色の未来は、もうないの?

景気がいいときは、デパートの売り上げが上がる。でも、軒並み、百貨店の売り上げ不振が続いているのはなぜ?
→ バブルの時には、百貨店に人が溢れていたよ

★税金がどんどん高くなって、実質収入が減っている。
→ 税金が10年前のままなら、海外旅行も行けるし、高級時計を買うことができるかもしれないのに

スーパーの売り上げも落ちている。庶民の購買力が落ちている?
→ 業界1位、2位でもよろしくないって、おかしいよ

★元々単価の安い、吉野家が、3社合同で、80円値引きクーポンを売っている。
→ 安い店が、さらに安くするのは、世の中が、デフレだからじゃない?

景気がいい時は、お金が循環して、庶民にも多少は行き渡る。
でも、本当は、有効な投資先がない。

それで、資産バブルになっている。
つまり、不動産と株価が上がっている。

しかし、実態が伴っていないことに違和感を感じる。
日本は、本当は、景気がよくないはずである。

隣国の韓国で起こった事例を紹介する。

韓国でも、最低賃金が引き上げられたそうである。
(日本でも最低賃金が上昇している)
これは、賃金を無理やり引き上げたどうなるのか、という一つの実験例となるだろう。

その結果、韓国では、どうなったか?
『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』より抜粋

1 自営業者の廃業が増加した
2 財閥系は、採用人数を増やした

この対比は、人も企業も貧富の格差が広がったことを示している。

自営業者では、賃金を上げると、収益が出ず、ビジネスモデルが成り立たなくなった。

一方、財閥では、埋もれていた一部の優秀な人材を最低賃金近くで雇用できるので、人材コストが安くなる。
元々、平均給与が高い企業からしてみたら、豊富な人材のバーゲンセールに見えるのかもしれない。

何とも皮肉な話だ。

最近、このブログにおいても、賃金が上がっていくが、高止まりする可能性が高いという話をしている。

この先、賃金が上がり続けていくためには、
1 雇用先の収益が増加していくこと
2 経済成長していくこと
3 インフレになること

最低限、そのどれか1つは必要となる。

今、賃金が上がったと喜んでいても、韓国のように、失業率が増加するという分岐路もあるから、安堵することはできない。