2018年5月11日
調剤薬局の林立

全国に調剤薬局がたくさん存在しています。
大きな病院の前には、いくつも林立しています。

最近は、その中でも淘汰される薬局もできてきました。
その一方、多くの収益を得ている薬局もあります。

我々も疑問に思いますが、厚生労働省も株式会社の営利薬局にお金をばらまき、経営者に莫大な利益をもたらす仕組みはいかがなものかと考えています。

最近では、薬局関係の人間、家族も含めた人脈を絡め、診察なしで、処方せんを発行し、同一チェーン内の暇な部署で調剤して、料金を請求する不正受給が発覚しています。

調剤の費用だけでなく、指導料を追加しても、ばれなければいいというものです。

こうした不正受給が明るみに出ると、薬局側は、指導が入る前に「自主返納」しました。
しかし、それでいいのでしょうか?

世間では、医師に厳しい目が向けられています。

給料が高いとか。
必要な検査を怠ったとか。
基準が曖昧だとか。

これまで、薬剤師や調剤薬局に対して、穏便な方策がとられていました。

これは、薬剤師出身の議員や薬剤師会員の選挙票を鑑みて、甘く見積もられた面があります。
政治家は、票が集まる勢力に対抗することが難しいため、ありたい方向には行かず、引っ張られます。
癒着とは言わないまでも、大きな勢力です。

調剤薬局の基本は、医薬分業です。
薬局でチェックして、安全性を保ち、しかもムダを省くことを目的としています。

最近、その機能にも疑問符がついています。

病院やクリニックで処方すると、調剤料金が非常に安いのですが、院外薬局だと飛躍的に高くなります。
薬局の役割が、単に薬を袋詰めにすることであるなら、高すぎる金額です。
そのことにメスが入っています。

個々の薬剤師が、決して悪いわけではありません。

営利目的で、経営しているチェーン薬局は、薬剤師をいいように使い、少しでも経費を浮かして、利益を得ようとしています。
営利企業は、利益を追求することは当然です。
一方、医療法人は、利益を追求しない組織として認可されます。

利益を追求しない医療法人といえど、近年では、生き残るために、必要な利益を確保する努力を求められます。
ましてや同じ土俵でさらに利益を出そうとするならば、何かのひずみが生じてしかるべきかもしれません。

今年の4月に行われる診療報酬改定では、院外薬局の調剤料金が下がることになりました。
一方、院内処方の調剤料金の値上げはないらしいので、基本は下げの路線です。

日本の医薬分業に黄色信号がともっているように感じています。