2020年3月14日
新型コロナウイルス感染でイタリアが医療崩壊

現在、欧州を中心に新型コロナが広がっています。

当初は、検査を多く行っていると自慢していたイタリアが、ひどい状態になっています。

検査をやりすぎて感染の陽性者を多くだし、医療機関にかけつけた患者が、医師の感染も引き起こして医療崩壊しています。

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さて、話をコロナウイルスの感染のことではなく、イタリアでの精神医療の話に切りかえます。

20年以上前の話からのことですが、イタリアには、精神病院はありません。
先進国で入院ができる精神病院を廃止した唯一の国です。
一時的に具合が悪くなった方は、家に近い雰囲気の施設で様子をみるという精度に転換しました。
その代わりに、入院ではなく、外来治療にかける予算を厚くしているということでした。

そのため、私たち日本人は、イタリアは精神医療先進国だと思っていました。
画期的なことだと医局で数人視察に赴きました。
その際には、すごいことだと驚きの声が上がっていました。

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しかし、今になって思うことですが、現実は、異なっていたようです。

日本は、都市部では医師過剰の地域もあります。
一方、地方では、医師不足で必要な治療を近隣で受けることのできない方がたくさんあります。

まして、先進医療に関しては、より大きな都市に行かざるを得ません。
これが現実です。

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一方、イタリアが医療先進国であることに違和感を覚えていました。
それは、医師免許得を持っている「医師」が職にありつけなくて、タクシードライバーをしているという話がずいぶん前からありました。

日本と比べると不思議な話ですが、業界人には有名な話です。

これは、イタリア政府が医療に予算をかけなかったことと関係しています。

医師が食えない国ですから、医療制度が整っていると言いがたい事情があります。
精神病院をなくしたのも、精神医療にかける予算をなくしたことと関連付けると納得がいきます。

そうした体制の中での今回のコロナ対策です。
冒頭に述べたように明らかに政策は失敗しています。

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現在、イタリアの病院では、「命の選択」が行われています。

病院に配置している人工呼吸器の数に限りがあります。
そのため、肺炎になって重篤な症状の人が出ている現状では、すべての人に人工呼吸器を使用して助けることができません。

今、苦肉の策として、
60歳以上の人には、人工呼吸器を使用しない
という決定が下されています。

高齢者より若者の命を優先することです。

悲しいことですが、非常事態で致し方のない決断をしたのでしょう。

「今はまだ」社会保障費がそれなりに提供されている日本にいてよかったと感じることのできる材料です。