2020年9月15日
環境要因による自閉症スペクトラム障害の可能性

自閉症スペクトラム障害は、ある程度、遺伝子要因が関与していると考えられています。

一方、遺伝によらない環境要因も考えられています。

千葉大学の研究結果が、米国科学アカデミー紀要(PNAS)」の電子版に掲載されています。

妊娠中に農薬「グリホサート」を摂取することにより、子の自閉症スペクトラム障害(ASD:autism spectrum disorder)などの神経発達障害の病因に関係している可能性がマウス実験で示されたと発表しました。

自閉症スペクトラム障害の病因は、原因不明のものが多くあります。

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疫学調査では、千葉大学の研究のように、環境化学物質が発症に関与している可能性も示唆しています。

2019年の論文で、アメリカカリフォルニア州において、農薬「グリホサート」の摂取により、子の自閉症スペクトラム障害の発現が高かったことが報告されています。

グリホサートは、植物のシキミ酸経路に作用して、生育に必要な芳香族アミノ酸の合成を阻害し植物を枯らします。

人の腸内細菌は、シキミ酸経路を介して合成されます。
自閉症スペクトラム障害の患者に腸内細菌叢の異常が多いことが知られています。

マウスの実験では、母マウスにグリホサートを含む水を離乳期(生後21日)まで与えた場合

・自閉症スペクトラム障害様の社会相互作用の障害を示した

・腸内細菌叢が乱れていた

ということが確認されています。

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「なぜ、私の子が自閉症スペクトラム障害になったのだろうか?」

という不可思議な疑問に環境因子が関与している可能性もあります。

こういった原因に決定的な究明はできません。

遺伝的な要因やおかしな行動をした結果とは限らないということです。