アルツハイマー型認知症の原因と遺伝子について

アルツハイマー病と変性蛋白

アルツハイマー病あるいは、アルツハイマー型認知症(以下、まとめてアルツハイマー病と略します)の原因について、我々(人類)は、思ったほど、知り得ていないということが分かりました。

アルツハイマー病に罹患していた人の脳を解剖した結果、脳神経細胞にタンパク質が沈殿していることが分かりました。

・βアミロイド蛋白
・タウ蛋白

と呼ばれるものです。

一般に、このタンパク質が神経細胞の壊死を引き起こして、認知症を発生させるものと考えられています。

そのため、上記のタンパク質を作らないようにする薬やワクチンの開発が進みましたが、うまくいった例はありません。
これが、アルツハイマー病の根治療法ができない現状です。

にわとりか卵か

2019年1月、スイスの大手製薬会社が、タンパク質プラークを除去する抗体薬の大規模な研究を中止しました。

実際のところ、βアミロイド蛋白やタウ蛋白が沈殿するから、アルツハイマー病になるのか、それとも、後で確認した結果として、アルツハイマー病になった人に、それらのタンパク質が沈殿していたのか、確証が得られにくくなりました。

つまり、タンパク質が、原因なのか、原因の一部なのか、それとも確認した結果にすぎないのか、分からなくなったのです。

新しいアプローチ

しかし、別の視点でとらえると、検証可能なデータがあります。

APOE遺伝子を持つ人は、そのタイプにより、認知症になるリスクが異なることが分かりました。

APOE2遺伝子は、アルツハイマー病の発症率を下げ、APOE4遺伝子は、発症率を大きく上げます。
現時点では、こういうデータが確認されていますが、治療法はありません。

ただ、今後、APOE4遺伝子を持つ人の脳にリスクの低いAPOE2遺伝子を投与するという、遺伝子治療の試験が、2019年5月から開始されます。

既存の治療法は、壁につきあたっているため、あたらしい手法の治療法を開発する緒についたことになります。

alzheimer

(上記の記事は、以下から引用、抜粋しました)
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トリビア(こぼれ話)

銀河鉄道999というアニメが、昭和後期の時代に流行りました。

その物語では、ある星に行くと、機械の体を手に入れることができて、永遠に生きながらえることができると言われました。主人公の星野鉄郎は、謎の美女メーテルと共に宇宙列車(銀河鉄道)で旅をします。

しかし、私は疑問に思っていました。
体は、半永久的に生きることができても、脳神経が死滅してしまったら、意味がないのではないかと。

体が生き続けるのならば、脳も機械にしなくては釣り合いません。
その場合、「自分が自分でなくなる」という自己アイデンティティの問題に突き当たることになります。