2022年1月26日
今年は、調整の年

資金供給ジャブジャブをやめるテーパリングに入り、3ヶ月後に段階的な利上げが待っている。

これは、アメリカの話である。
この記事は、一週間前に書き始めたのだが、株価の暴落が定まっていなかったので、それを確かめてから書くことにした。

現在のところ、絶好調であったNASDAQは、10%以以上落している。

ほとんどの人は意識していないだろうが、2021年の下落は少なかった。
株の下落で損を出した人は、「えっ?」と思うかもしれないが、いつもの年ではなかった。

YouTuberの高橋ダン氏の解説によると、2021年は、5%程度までの下落しかなかったということを、チャートを使って示している。

コロナショックの30%下落は例外として、リーマンショックまでの10年間を見ていると、株価は順調に上昇しているが、その途上に7%〜10%程度の下落があった。
それは、どの年をみても存在していた。
未来のチャートは、想像でしか描くことができないが、過去のチャートはウソをつかない。

そういう意味で、2021年は、極めて特殊な年であり、2022年は普通か、それ以上の調整が待っていると想定する。

すでに10%の下落は現実となった。
20%はあるだろうか?
あるいは、金融危機の懸念のある30%下落が発生するだろうか?

私は、今年中にありえると考えている。
今年になくとも来年にはあると確信に近い考えをもっている。

今年の初め、アメリカのGDPは2300兆円程度に対して、株価は3000兆円くらいまで上がっていた。
投資の神様として有名なウォーレン・バフェットは、株価がGDPを超えると行き過ぎだと考えている。
そのため、株価 ÷ GDP = バフェット指数と名付けられている。
そのバフェット指数が140%まで上昇してしまった。

GDPは実体経済を映し出すが、株価は、人の感情により添っていく。
だから、株価を何年かけて配当で埋め合わせることができるのかという、PERも高くなった。
平時であれば、15くらいまでが普通の値となる。
それが、アメリカ株の平均は30を超えている。

有名なAmazon株は、以前から100を超えていた。
つまり、配当で買った株の元をとるのに100年かかるということになる。
昨年の過剰流動性の資産バブルにおいては、Amazon株は、300に至った。
株価総額がトヨタを抜いたテスラのPERは、1000を超えている。
テスラが将来伸びるとしても、このPERの値を維持することは不可能だろう。

筆頭株主のジェフ・ベゾスは、自分の持ち株の一部を売却したらしい。
その他、Facebookのマーク・ザッカーバーグも同じことをしている。
テスラのイーロン・マスクも同様である。

これらは、何を意味しているのか?

税のからみもあるので、一概には言えないが、資産保有を含み益ではなく、一度、利益確定したと考えられる。
これは、いい、悪いではない。
自然な挙動だと思われる。

アメリカでは、株の含み益にも税金をかるかもしれないという憶測があり、人々の納得のいく額の税金をおさめるために売却したのかもしれない。

それにしても、不気味なほど日本とアメリカの株価の差が開いた。
日本は、旧来式の物作りはうまいが、人不足を補うほどの革新的なイノベーションを成し遂げることができなかった。

Googleのようなソフトウェア、Intelや台湾のTSMCのような半導体を作ることもできなかった。
AIにおいては、米中の2〜3周遅れという話もある。
変わらない日本のよさと変われない日本の欠点がある。

今後、日本の巻き返しはあるのだろうか?

明治時代の日本の革新性には目を見張るものがある。
アジアで植民地にならなかった、ただ一国である。

第二次世界大戦で負けた贖罪を未だに支払わされている日本国だが、一部の国を除いて、アジアで友好国が多いのには理由がある。
日本が気を吐いたため、アジア諸国は植民地支配を逃れることができたという事情がある。

それからすると、日本人は、もっと自信と誇りを持っていいのだが、バブルの崩壊以来、30年間縮こまっている。
ちょうど、これからの世を担っていく平成世代の気を削いでしまった。

このままでいくと、日本の対外資産は縮小し、新興国のように悪い円安に進んでいく方向に向かっている。

観光やインバウンドに頼る国は、自国にこれといった産業のない場合である。

がんばれ、日本!
新たな境地に切り開け。