令和で使うことになった印鑑

令和に先立ち、新しい印鑑を作りました。

印鑑を使っている国は、珍しく、煩雑なので、そろそろやめようという話題が出ました。そうすると、すべてのハンコ屋が倒産するでしょう。
廃案となりました。

近所にあるハンコ屋さんの主は、1級印章彫刻技能士という資格を持たれています。
これは、手彫り印章で、7年以上の経験を有して、試験に合格されているということです。
1級の下に2級があります。

ただし、印章彫刻技能士は、最低限の技能を保証する国家資格ですから、個々人の技術には大きな違いがあります。

法人の設立の時は、その印章屋さんで、黒毛水牛の素材で作成してもらいました。

現在、お年は80を超えておられ、そろそろ店をたたもうかと思っていたところだそうです。

何かの縁か、嫁がその印章屋を訪ねた時、息子がそろそろ大きくなったのではないかという問いかけがでました。
そのため、長年保存していた別格の象牙で、息子さんの印章を作ろうかという話になりました。

これを自分の最後の仕事としたいから、印鑑代は安くても構わない、ただし、ワニ皮ケースは買い付けで値下げできないから、これは負担してほしいという話になりました。

実は、子ども用には、百貨店のバーゲンで1級印章彫刻技能士が作成した、象牙の印鑑はすでに作っていました。
しかし、今回、オヤジさんの思いに甘えて、作成してもらいました。
2週間くらい、時間がほしいということでした。

できあがった印鑑は、太くて長く、白より黄色が目立ちました。
実は、象牙は白よりも黄色の方が粘りがあって、朱肉をつけた時、より繊細に刻印できるそうです。

子ども用の印鑑をみて、嫁と私もほしくなり、注文しました。
嫁の印章は、1つは、そくった(小さな失敗をした)。だから、それは、タダでいい。
もう1つは、キチンとできたと言われました。

私が作成してもらった印鑑は、
「このレベルのものは、これまで、○○さんと△さんの2人にしか使ったことのない稀少なもの」と言われました。

私にもよくわかりませんが、印章はいい感じでした。
ただ、ケースのワニ皮は、大きくて、ごつくて、個人的には好みではありませんでした。

さて、その印章屋のおじいさん。

残った象牙は、弟子に譲ろうと考えていたそうです。
しかし、今回、久しぶりに大仕事をやり遂げ、
「わしも、もう少しがんばってみようか」
と言われました。

おじさん、自分が納得できる仕事ができなくなったら、引退したらいいと思いますよ。