女性ホルモンと精神症状との関連

(生理については、少し堅苦しい説明になりますが、女性ホルモンと精神作用の因果関係について考えてみます)

生理と女性ホルモンについて

女性ホルモンの分泌は、脳が指令を出しています。
最上位は、間脳にある視床下部という部位がホルモン量のチェックをして、より下部の下垂体に刺激ホルモンの分泌を促します。

下垂体から、卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されると、卵巣の中にある、原始卵胞を刺激して卵胞が発育します。
卵胞が発育するにつれて、卵胞ホルモン(エストロゲン)が上昇し、子宮内膜を肥厚させ、肌の潤いをよくし、骨にカルシウムをたくわえさせます。

一方、同じ下垂体から分泌された卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌がピークに達する頃に、排卵が起こり、卵胞から卵子が放出されます。

排卵後の卵胞は、黄体となり、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。
黄体ホルモンの働きによって、子宮内膜が柔らかくなり、受精卵が着床しやすくなります。

卵子が着床しない状態が続くと、子宮内膜が剥がれて排出されます。
出血とともに子宮内膜が排出されることを月経といいます。

月経に関して生じる不調

上記の中で、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)は、体によい影響を与えるだけでなく、精神的にも安定させる作用を持っていることが分かっています。

そのため、生理前には、用済みの2つのホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が急速に減少します。
生理前に不調が多いのは、これらのホルモンと関係していることがよくあります。
下腹部の痛みなどの身体症状の他、気分が落ち込む、イライラするなどの精神症状が出ることもよくあります。
妊娠可能な女性なら、大なり小なり、症状が起こり得ます。

この生理前の不調が著しい場合は、月経前症候群(PMS)と呼ばれます。
これは、月経が終わると、たいてい治まるのですが、とても情緒不安定となる方もおられます。

いくらかの異変は仕方がないことですが、症状が強い場合には、治療を行う場合があります。

治療法

1 漢方薬の使用

生理と関係した症状によく使う漢方薬として、

加味逍遙散(かみしょうようさん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
があります。

精神症状を緩和する目的では、

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
がよく使われます。

2 抗うつ薬、抗不安薬の使用

抑うつ気分がつらい場合には、抗うつ薬を使用することもあります。
この場合、身体的に影響の少ないSSRIという種類の薬がよく使われます。

抗不安薬の場合は、不安やイライラなどを軽減するため、症状が出た時に使用することがあります。

3 ピルを使用して、排卵をとめる

ピルを使用するかどうかについては、産婦人科にご相談ください。
ピルを使用した方がよいと考える医師とそうでない医師と見解が分かれていると思われます。

これが絶対に正しいという治療法がないということをご理解ください。