自律神経症状

目には見えない自律神経

 自律神経とは、文字通り、生体機能が自律的に調節する神経です。

 これには、反対の方向に左右する、2種類の神経系統があります。

交感神経 ⇒ 活動的になる。特に、戦いの時、働きが活発になる。
副交感神経 ⇒ 休息をもたらす。胃腸の働きなどをよくする。

 この2つの神経がうまくバランスをとることで、生体が、健康になるよう、調節します。

 自律神経は、内臓も含めて、全身に分布しています。
 しかし、その神経は、CTやMRIの画像でみることができません。
 また、血液検査で測定する方法も確立されていません。

自律神経が乱れた時に出る症状

 自律神経のバランスが乱れた時に出現する症状は多彩です。

例)全身倦怠感、微熱、頭痛、動悸、息苦しさ、ほてり、寝汗、しびれ、ふるえ、めまい、耳鳴り、下痢、頻尿など

 緊張したら、ドキドキして、心臓の鼓動が速くなることがあります。
「手に汗をかく」という状態も自律神経の働きかけがもたらすものです。
 別の項目で述べた、パニック障害で起こる、動悸や息苦しさは、この自律神経症状によるものです。

 こうした作用は、交感神経が副交感神経より活発に作用して、体の変調を来して起こります。

 自分の意思でコントールすることは案外、難しいものです。

自律神経症状かどうかの判断

 自律神経の症状は、体の症状として、出現することが多いため、特に気になる症状は、身体検査をする必要があります。

⇒ 血液検査、心電図
 症状によっては、頭部CTかMRI検査、胃や腸の内視鏡検査、耳鼻科での検査で確認しないといけないこともあります。

 面倒なことですが、症状がハッキリ存在するにもかかわらず、体の検査で異常がない場合、自律神経症状の乱れを強く疑うことになります。

 上の項で述べたように、自律神経と判定する検査法がないため、生命に危険を及ぼすおそれのある項目を、一度は検査しておくことを勧めます。
 それで、身体的な異常がまったくみられない場合は、自律神経の異常、あるいは精神疾患を疑うことになります。
 
 内科、あるいは総合病院の医師から、メンタルの問題かもしれないと告げられるかもしれません。

 体の症状が自律神経症状かどうかを確認するために、最低限、必要な検査を受けたかどうかをうかがいます。

 その上で、症状が自律神経症状の主たる項目にあてはまるかどうかを判断します。
 よくある具体的な症状は、例に記載しています。

 記載のないもので、例えば、「腰が痛い」という症状は、自律神経症状で起こることは、まれなので、整形外科を受診するかどうかを話し合います。

 自律神経は、ストレスや環境の変化などによって引き起こされることが多いため、そのような要因がないかどうかを聞き取りして治療に移るかどうか判断します。

自律神経症状の治療

 自律神経の乱れは、労働、家庭問題、人間関係などのストレスから起こることが多いため、まずは、ストレス要因を取り除く、あるいは軽くすることができないかどうかを考えます。

 例えば、仕事で過剰なストレスにさらされている場合、労務負担を軽減するか、場合によっては、部署異動や一時的に休養することも考えます。

 家庭問題では、少しでも改善可能なものか、あるいは、工夫できるものがあるかどうかを再考してみることが大切です。

 また、生活習慣や生活環境を見直してみることも大切です。

 とは言え、生活する中で、自分の力では、変えられない問題が数多く存在します。

 そのような時、薬を使って治療します。

1) 漢方薬
 症状が軽めで、お薬に心配がある方は、症状に応じて、漢方薬を選んで処方します。
 漢方薬だけを1年くらい服用して、症状が改善したため、薬をやめられた方もおられます。

2) 抗不安薬(軽い安定剤)
 不安や緊張が強い場合、症状を緩和するためにいくらか使うことがあります。
 効果のある状態で、なるべく多くしないことをお勧めします。

3) 抗うつ薬
 自律神経症状を伴う方は、うつ症状も合併していることがよくあります。
 その場合、軽めから、抗うつ薬を処方します。

 抗うつ薬には、不安を軽くする働きがあり、しかも安定剤より依存性が少ないため、こちらの方が適している方も多くおられます。
 あるいは、抗不安薬と併用する場合もあります。

※人が生きていく過程で、大なり小なり自律神経症状が出ることは普通にみられます。軽い症状の場合は、生活習慣や考え方を修正するだけで、改善することがあります。