2018年5月25日
脳細胞は、睡眠不足になるとアポトーシスを起こす

いろんなところで気になる睡眠障害。
変則勤務をしている人に睡眠の悩みを持っている人は多い。
そのため、割合多くの人が睡眠薬を飲んでいる。

病院でもらう睡眠薬は、市販の薬局で買うことができない。
医師の処方箋なしに手に入れることはできない。

時に売買する人がいるが、これは犯罪にあたる。
警察に見つかると検挙される。
たかが睡眠薬と甘く見ない方がいい。

睡眠薬というと、怖い感情、止められない感情を持つ人も多い。
実際、睡眠がうまくとれないので、継続している人も結構おられる。
また、睡眠薬を服用すると、幾分、認知機能が低下すると言われている。

では、睡眠薬は絶対悪なのか?

服用しなくていい人は飲まない方がいい。
しかし、それ以上に危険なデータがある。

睡眠不足に陥ると、脳神経細胞がアポトーシスに陥るのだ。
アポトーシスというと専門用語で分かりにくいので、平たく言うと、細胞が自ら消滅する自然死を選ぶのだ。
例えば、人間の手に5本の指があるのは、アポトーシスのたまものである。
グローブのような手から、間の細胞が抜け落ちることによって、指間ができて、指が出来るのだ。

また、赤ちゃんは、多くの神経細胞を持っているが、使わない細胞は、小児期に間引きされていく。
小児期をすぎた人に音楽の絶対音感を持つことができないのは、こうした理由による。
森を作るために木の苗を植えても、生え放題だとうまく育たないことがある。
いらない枝を間引きすることで、育成に役に立つ。
このようなことが、人間の脳内でも普通に起こっている。

睡眠不足で脳神経細胞がアポトーシスになるということは、脳細胞が死んでしまうということである。
だから、睡眠薬を服用することで、脳の機能低下が起こることはありうるが、重度の睡眠不足を放置しておくと、脳の機能が著しく落ちることになる。
実際、私はそういう患者さんを多くみてきた。

睡眠薬がよくないと思い、お酒を大量に飲んで寝る人もいる。
しかし、アルコールは、寝つきをよくするが、睡眠の質を悪くする。
途中覚醒などの問題が起こりやすい。

私が、協調したいのは、
アルコールも「薬物」である、という事実である。

道路交通法で、飲酒運転の罰則が厳しくなっているのは、
「アルコールが、認知機能を低下させ、判断能力を狂わす薬物である」
という理由に起因する。

週刊誌で飲んではいけない薬を袋とじで売っているものもあるらしいが、どのくらいの根拠に基づいているのか。
そして、それによって、損害を被る人の保障ができるのか。

思考は、決めつけずに、柔軟に利益と損失を考える方がいい。