2016年6月26日
イギリスのEU離脱で経済界はパニック

国民投票の前日まで、比較的穏やかだと感じられた世界経済界。
ドル円の上昇、NYダウの18000超の上昇、原油価格の上昇など。
全体にリスクオフ(リスク選好)の動きがみられた。

これは、イギリスのEU離脱についての国民投票で、残留派が優位だとみられた結果だ。
少し前は、離脱派が優勢と見られたので、リスクオン(リスク回避)の動きが強くて、円高になった。

私も含めて過半数の人は、イギリスは、EU離脱を選択しないだろうと楽観的に考えていた。
それは、今朝までそういう動きだったと思う。
アメリカのマーケットは、時差の関係で、主要マーケットでも最も遅い時間に始まり、遅い時間に終わる。
そのNYダウやS&P500の株価が上昇しているのだから、安心モードに入っていたのだと思う。

ところが、投票が終わり、開票になって明らかになったのが、時差のある日本時間である。
日本は、欧米からみると、極東と呼ばれる、日付変更線に近い位置に属している先進国であるため、欧州の深夜時間に朝が来る。
そして、投票結果が出るのが、日本時間の昼過ぎというわけだ。
先進国の主要マーケットとして開いているのは、日本が中心である。
(他に、上海や香港のマーケットもあいている)
日本株は、地球で一番早く開く主要マーケットのため、大きな変動を受けてしまうことが多い。

当日の朝の10時過ぎだろうか。
イギリスでは、離脱派の方が優勢だろうという情報を聞いた。
しかし、市場は、情報の上流にいるところから流れていく。
私が認知した時には、すでにマーケットは売り一色だった。
瞬間風速であると思われるが、ポンド円で132円というのを目にした。
夕方は、140円だったので、パニック売りの行き過ぎた値だろう。
ドル円も99円ほどになったと聞く(これは、目にしていない)。

大勢は、残留にかけていたため、思惑とは逆になった人は、慌てふためいたことだろう。
経済界においても、本日、ポンド安、ユーロ安、世界全面の株安、新興国においては、通貨安が起こった。
日本でも12000円ほどの株安となり、これは、リーマン・ショック時より大きな下落と言われている。

イギリス離脱後の株

しかし、これで終わりではない。
世界に波及する効果で不透明な部分は多い。
この出来事は、リーマンショックより大きな金融恐慌を起こす引き金となる恐れもある。