2015年10月29日
事務は、経営の話をする時、コストの話をしない

病院経営もなかなか難しい。
でも、まだ一般企業と比較して幼稚なところがある。

月に1回程度、医局会が開かれる病院は多いことだろう。
その時か別の時か分からぬが、事務方が作成した、科別の受診患者数と売上だけを提示される病院が増えている。
もう10年以上も前から行われており、他の病院でもなされているという情報を得ているので、こうした試みは浸透しているものと思われる。

当時から嫌気がさしていたが、この事務方が作る資料のお粗末さにあきれる。
収入で言えば、大がかりな手術を行い、診療報酬点数の高い科が売上が多いことは当然ながら予見される。
一方、例えば、麻酔医であれば、ペインクリニックを開いていくらかの売上があったとしても、入院患者の売上が計上されないため、麻酔科医は存在することが負債のように見えてしまう。

しかし、現実は異なる。
外科が手術を行うために麻酔科医が必要で、麻酔科医がいなければ、外科の売上は皮算用に終わるという事実がある。

要は、実入りの大きい科があったとしても、たくさんのスタッフを使い、時間外労働のおまけをつけた時、
売上 — 経費 = ?
の「?」の部分に対する洞察がまったくないことである。

これは、計算してみる価値がある。
売上は多くても経費が多くて収益がマイナスのこともありえる。
一見、売上が低いが、経費が少ないため、利益が出ている科もある。
他には、麻酔科のように利益はないようでも、それなしには成り立たない病院もある。

病院の事務方の目は、「節穴」かと思うことがしばしばある。
判を押したように目先のデータしかそろえないで、収益の話をしない。

もっとも収益の話をしたならば、事務はただの経費で何も生み出していないことになる。
そういう点も踏まえて、事務はきちんとしたキャッシュフロー経営を示す必要があるのだが、それができる人がいない。
また、経営者でそれができる人がいないことも一因となっている。
役に立たない分析をするより、いくらかのお金を支払って、経営コンサルトに分析してもらう方がいいのかもしれない。
しかし、そういう目に見えぬものにお金を支払う経営者が少ないことも事実である。