2014年12月9日
介護は儲からない

元々、介護は、あまり収益がでないように厚生労働省が勘案して設定しています。
だから、介護職はきつい割に収入が低いのが現状です。

男性が一般介護職についた場合、給料が安すぎるので、ひとりで生活することがやっとで、結婚できないという話もあります。
少子化の問題が以前から取り上げられていますが、これは、結婚している夫婦の問題だけでなく、する前の人からも、収入面での子育てが難しいと考えている層が結構あります。
そういう場合、夫婦共働きならやっていけるけど、お嫁さんが妊娠してしまって仕事ができなくなると、家計がジ・エンドということが起こりえます。
実際、奥さんが妊娠して産休に入っている間、期間限定で生活保護を受けられている家庭もある状況です。

そんな中で、介護で働いているケアマネージャーの方も多い収入を得ているわけではありません。

私は、ある時期、指に血豆を作って書類を書いていた時がありました。
その時、介護系の人が当たり前のように持ってくる書類がタダであることを知り、指の痛さに耐えかねて、中断していた時期があります。

それが、最近、介護関係職にある友人に話を聞いて考えを改めることにしました。
書類は、厚生労働省から医師の指針をもらうようにという通達があり、そのために書類を持ってきているようでした。
一方、その書類は診断書的な性格を持つにもかかわらず、支払うところがどこにもありません。
厚生労働省が、介護にかかわる人全般に協力するようにと要請している状況でした。

要は、誰もが労力をかけながら、「ただ働きをせよ」と言っているに等しい政策です。
事業をやめることのできない業者の弱みを握っていることと、人の善意にすがっているとは、厚生労働省の怠慢だと考えます。
それだけのものを求めるのなら、書類代に保険を適応するとか何か方策があるのですが、要は、お金を出したくないのでしょう。

ただ、そういう実態を知り、介護に協力しなかった自分を恥じるとともに申し訳ない気持ちを持ちました。
介護の人も事情を説明してくれる方が1人でもおられたらよかったのですが、友人に言わせると、「ケアマネが医者に言えることではない」とのことでした。

先日、お金にならなくとも、またお金が出ていく可能性すらあるのですが、介護の人に自分のできる範囲の協力を行うという旨を発信しました。
同じ市内にある事業所に対し、FAXでお手紙的なお知らせを送信したのです。

これまで冷たい行動をとった私に対し、どれほどの効果があるのか測りかねましたが、翌営業日に、介護の代表の方から、受付にお礼の電話をいただきました。

人や組織には、それぞれ事情があるものです。
その事情は言わないことがあるので、自ら聞くことが大切だと思い知りました。

自分は親切な人間ではないかもしれないけれど、悪人にはならないようにしないといけないと改めて思いました。