2016年4月21日
崩壊したクラスから、雰囲気のいいクラスに

学級崩壊という言葉が、以前ほど聞かれなくなった。
学級崩壊は減ったのか?
いや、実はそうではないらしい。
当たり前のできごとになったので、それほど言われなくなったのだ。

私は小学校時代に学級崩壊を経験した。
特に男子生徒が好き勝手かって、授業にならなかった。
その授業すらもしばしば抜け出ていた。
そういう環境の中で、いじめも横行していた。

先日、崩壊したクラスを立て直してきているという先生がテレビに出ていた。
その授業法は、しばしばモデルとして、公開されているらしい。
そして、画面で、その手法の一部を紹介してもらった。

まず、荒れたクラスの生徒は、自信がない。
相手をけなす。反発する。ケンカをする。
結局、人間を信用できなくなり、さらに自信もなくす。
この限りではない、様々な負のスパイラルがあふれている。

そんな状況の中で、生徒を元気にさせていくことが必要となる。
その方法として、

1 見ている、というメッセージを届ける
2 長所をほめる

言葉にすると、抽象的で、分かりにくい。
そもそも、人は、たいていの「いいこと」は、言葉では知っている。

具体的には、気がついていない時に生徒のいい写真をとっておき、それを後で、解説をつけて、模造紙で、貼り出すようなことをしている。

また、何でもない作文で、ほめることがないような文章でも、
・改行の時、きちんと1字あけている。
・この部分はいい。
・最後まで、文字が保たれているのはいい。

など、細かくほめるポイントを赤ペンでつけていることだ。
その作文の実物をちらと眺めたが、お世辞にもきれいな字とは言えなかった。そんな字でも、始めと終わりが保たれていることをよしとしたのだろう。

見ているということは、気にかけているということ。
そして、見ていて、ほめることを見つけること。
それは、自分の存在が「認められている」ということにつながる。

また、1人の生徒が前に立ち、みんなでその子の長所を告げていく。
いいことのシャワーだ。
そうして、みんなでほめあうことで、他の人の長所を発見するし、言われた子には認められているという自信がついていく。

そして、教室の後ろには、年の初めに決めた言葉を書いて貼っておく。
・あふれさせたい言葉
・あふれさせたくない言葉

子どもは言葉で育つと考えている。
現実には、言葉だけではないが、人の考えていることは、言葉によって、抽象化されるため、言葉に気をつけることは、とても大切なことだ。
確かに、言葉によって、貶められることがあり、育つことがある。

そして、それらが機能していることが前提になると思われるが、子どもたちに自分たちで好きな係を作らせるという。
その係は、変わった名前のものや働きをすることが多い。
そして、その係の名前には、「会社」といいう言葉をつけている。

これは、子どもが社会に出た時の役割を意識することに役立つと思われる。
また、自主性を育てることにもなるだろう。

他にもスキルがあると推定されるが、以上の中では特に、「見ている」「ほめる」を積んでいくことが基礎作りに欠かせないように感じた。