2015年11月8日
民間療法は、なぜか罪に問われない

胆管癌を患った川島なお美さんの死は、少し前に話題になった。
逝去する少し前に激やせの姿で現れ、見ていて危ういと思ったら、数日して、息を引き取ったという報道があった。

川島さんは、若くして天に召されたわけであるが、本人は、「天寿をまっとうしたい」とは言ったが、早く冥界の人になりたいとは言っていない。

女優の仕事に支障が出る可能性のある抗がん剤の治療を拒んだ。
一方、小さな腫瘍が見つかった13年7月からは、納得できるドクターと出会うため、病院巡りをしたという。
そして、腹腔鏡手術でがんを摘出した。手術は12時間に及んだ。

その後、彼女は、抗がん剤の治療の代わりに、ある治療(?)を受けることになった。
彼女は、こう記している。
「素晴らしい民間療法との出会いもありました」

その民間療法とは、こんなものである。
純金の棒で、体をこすることにより、体にたまっている邪気を払う。
「ごしんじょう療法」というらしい。
その治療を受けると、気力が充実するという。

その治療院では、
「ごしんじょう療法では、痛み、アレルギー、がん、パーキンソン氏病、ALS、難病など、さまざまな病に効果をあらわせる」
とある。

結局、ごしんじょう療法とは、純金の棒でこするだけの不可思議な治療だったようだ。
それでも、生きようとして、わらにもすがる思いを持つ人には、一縷の希望から気分がよくなったのかもしれない。
ただし、治療としては、わらはわらとして、本当にしがみつけば、溺れてしまうということだ。

この治療法が、癒やしセラピーとか、気分転換という触れ込みであったなら、まだいいと考えている。
えせ治療を本当の治療のように誤解を与える民間療法は、処罰の対象にならないのだろうか?

医師がそんな治療をして、失敗すれば、訴えられるだろう。
また、訴えられた場合には、まず敗訴するものと考えられる。
これは、国家資格を持った者の行為だから、何でもは許されないという土壌にあることは承知している。

薬局で売っている治療薬でも、効能を書くことが必要だ。
そして、健康食品は治療薬ではないため、「病気が治る」と宣伝してはいけないことになっている。
病気を治すと言っていいのは、認可を受けた治療薬だけである。

さて、それでは、薬を使わない治療ではどうなのだろう?
根拠もなく、でたらめな治療法を治療と宣伝していいのだろうか?

あるいは、治療という医療行為を行うということであれば、医師法違反に問われないのだろうか?

こうした事例について、厚生労働省は、咎めていないことがまったく不思議でならない。
民間であっても、損害賠償をしたら、そういう輩が減少するかもしれないが。

すべてを意味がないと言っているわけではない。
少なくとも、ヒーリング効果や安らぎを与え、その価値分を提供して、代金をいただく分には、問題としない。

この度の治療の他、断食療法、おがみやなど、適当に治ると言って金銭を受け取り、悪くなれば、後は、知らない、あるいは、医者に行ってくれという。

そういう無責任な「治療」を放置していいのだろうか?