2015年4月27日
近年のうつの特徴

最近、ぼくが憂えていることです。
増えている、企業内でのうつ。

20年くらい前には、うつ病とは、原因がないのに、気分が沈んだり、意欲が低下する「病気」でした。

近年のうつは、労働環境と密接に起こっているという特徴があります。
過重労働の問題。
職場の人間関係でやられる人。
上司のパワハラや同僚から理不尽なことを言われて、うつになったというケースが散見されます。

こういう、うつは、本来のうつとは異なっており、周りの環境に対応できていない、「適応障害」というのがより適切な病名となります。

ですから、本来のうつ病とは異なるのですが、症状がうつ病と似ており、悪化していくと、本当にうつ病になっていくという困ったものです。

日本にまだ余裕のある時代から精神的に変調があり、普通に働くことが難しい人は、100人に3人くらいはいる印象でした。
ところが、最近では、その桁が違っています。
10人に1人以上という感じです。

職場によっては、6人の内、3人くらいが、うつで休職したことがあるというので驚きです。

「ツレがうつになりまして」というマンガが出版されました。
その後、テレビドラマ化および映画化されました。

このマンガでは、スーパーサラリーマンだった夫が、会社のリストラによって、10人でやっていたような仕事を数人で持たされます。
しかも、クレーム担当。
労働量自体が増えた上に、仕事内容での負荷も高まりました。
これまで、精神的な病気とは縁がなかった夫が、突然、「死にたい」と言い出します。

こういう環境からくる、「うつ」が増加しているのです。
後は、個人的にどこまでストレスに耐えられるかどうかによります。
耐性の低い人は、軽い刺激でもなってしまうので、どこまでが大丈夫とは言えません。

そして、こういう環境うつの人で、職場を休む人が結構おられますが、残念ながら、復帰できない方もそれなりにおられます。
また、職場の環境が変わっていなければ、戻っても同じです。

汚れた池で病気になった「コイ」を元の水に戻しても、意味がないわけです。
そういうことで、仕事を辞めていく方もそれなりにおられるのが現実です。