2019年4月18日
乳腺手術医の冤罪

乳がんの治療を行った後、回診をした医師が、患者の着衣をめくり、乳首を舐めたという疑いがもたれました。

この件は、裁判となって争われました。

「えっ?」と思いました。

何で、手術したての人にわざわざ、そんなことする必要があるの?
リスクを高めるだけで、いいことないじゃない。

この件は、術後のせん妄や幻覚、妄想であると考えられましたが、警察は、唾液にあるアミラーゼを調べ、立証しようとしました。
そして、裁判の第1審では、患者側の訴えが認められました。

私は、その医師や患者のことは知らないし、病院の環境も知りません。
しかし、そんなばかげた話があるのだろうか、という思いでした。
とは言え、絶対ないとの確証はありません。

これは、「冤罪」ではないかと考えました。

電車で痴漢にあったと見做された人は、無実の証拠を出すことができないため、拘束され、相当の被害を受けます。
だから、そういう事例にあった場合は、弁護士でも、「一目散に逃げるしかない」と発言していました。

そうして、チカンと間違われた無実の人が、線路伝いに走り去り、電車にはねられて死亡した事故がありました。
後の検証で、チカンを行った者は、別の人物だと判明しました。

間違われて死亡した人は、実際には潔白でも、誤認されることで、社会的生命が終わることを考え、逃走したものと思われます。

この度、第2審では、医師の無罪となりました。

女性に対するわいせつな行為は、とがめられなければなりませんが、一方、それに対して、確証のある事実と根拠を示してほしいものです。

最近は、知能の高い女子学生が、数人組んで、標的にした男性をチカンに仕立て上げて、金を巻き上げる事件が起こっていることも発覚しています。

自分の無実をどのように証明したら、よいのでしょうか?

理不尽に受けたできごとに対する罪を補ってもらうことは必要です。
一方、反対に無実の罪を着せられた場合の対処もよく考えておかないといけない世の中になりました。

患者サイドは、さらに控訴するということです。
とても残念です。

こうした問題は、医師の接遇の改善ではなく、防衛のあり方を厳しくします。
アメリカ流にさらに細かい治療契約書にサインしなければ、治療しないという場面に発展するおそれがあります。

外科医も不足しており、今後、段階の世代が後期高齢者になると、一層の医師不足が見込まれています。
その時、契約に合意されない方は、後回しになるでしょう。

一部の方の悩ましいクレームで、他の多くの方の治療にハードルができる事態を悲しく感じます。