2019年2月23日
手数料ビジネスが死んでいく(銀行編)

雑誌AERAで、銀行が7年後になくなるという特集が組まれました。
銀行は、手数料ビジネスの代表的なものです。

お金を貸し出す時と、借りる時の差益で利ざやを稼ぐというビジネスモデルが典型的ですが、現在の低金利、いやマイナス金利では、なかなか利益が出ません。

金融ビッグバンという言葉があります。
昭和の時代、国に守られながら成長してきた銀行の規制緩和が始まりました。
銀行業、保険業、証券の代理店を営むことができるようになりました。

銀行に預貯金する時に、お姉さんに声をかけられることが多くなっていることは、経験でご存じでしょう。

預金残高が少なめだと、定期預金を勧められます。
ある程度の余裕があると思われると、投資信託を勧められます。

信託銀行では、ラップ口座の投資信託を勧められました。

投資信託でも、リスクが高く、手数料の高いものとして、

1 ラップ口座
2 毎月分配型投資信託
3 新興国中心の海外投資信託

があります。

これらは、勧められても、気をつけましょう。
(個人的には、入ると恐い、3悪と思っています)

今までのローン貸し出しでは利益がでなくなった銀行は、カードローンも手がけています。
これに対し、金融庁は、警鐘を鳴らしています。

その他、生命保険、投資信託の手数料についても口を挟んでいる状態です。

銀行は、手数料ビジネスと書きましたが、日本の銀行の前身は、「両替商」と呼ばれるものが一般的でした。
銀行でお札や硬貨を両替してくれることは周知の通りですが、両替商は、江戸時代、世界でも画期的な先物取引市場への融資を行っていました。
「米」の先物です。

この時代に、先物に対して、個人に金を貸すことは、信用取引にあたります。
欧州の銀行の成り立ちは、日本のそれとは、異なるのですが、証書を元にお金を貸して、利ざやを稼ぐ手法は、現代に通じています。

さて、この利ざやを稼ぐことが難しくなった銀行は、先ほど述べた、投資信託や生命保険での手数料を増やしていくノルマを課すようになったのです。

また、以前は、利用者の利便性を図ったサービスである、ATMは、行内では、人件費削減のために設置されています。

外部にあるATMは、時間外利用の時、手数料を徴収するマシーンと化しています。
一般家庭の預金額では、一度、時間外に預金をおろす手数料をとられただけで、1年間の利息収入が吹き飛ぶかもしれません。

それでも、街の一等地に備え付けられたATMコーナーは、銀行にとって、負担となるため、廃止されるところも出てきました。

さらに、貨幣を両替する場合の手数料も枚数によって、金額の設定が決められています。

あの手、この手で、経費を軽減し、手数料を増やさなければならない、現在の銀行のビジネスモデルは、厳しいものとなっています。

加えて、仮想通貨の登場は、今すぐではないけれど、将来のデジタル通貨とキャッシュレス社会の到来を匂わせています。
デジタル通貨が発行されたら、ATMの必要はなくなる上、送金の手数料も間引きされます。

こうして、銀行における手数料ビジネスは、大きな変革をもたらされているのです。