2019年5月27日
向精神薬から、さらに強い薬へ

特殊な形で、違法ドラッグの所持がみつかりました。

経済産業省のキャリア官僚が、逮捕されました。

この官僚は、自宅ではなく、霞ヶ関の職場にドラッグを送るように手配して、受け取っていました。
違法ドラッグとは、「覚醒剤」です。

仕事のストレスで、向精神薬を使用していましたが、より効果のある覚醒剤を使用するようになったとのことです。

私は、以前から、ちょっとした危惧を感じていました。
最近、厚生労働省は、向精神薬の処方制限を厳しくしています。

特に、抗不安薬や睡眠薬の量規制を一番強めています。
それから、抗うつ薬や抗精神病薬の制限も行っています。

以前から言われている、「多剤併用療法」の抑制です。
薬は増やせばいいというものではありません。
特に、日本では、薬を処方する量が多いというためです。

アメリカでは、ベンゾジアゼピン系という睡眠薬や抗不安薬に使用される種類の薬をなるべく使わないように指導しています。
日本もそれにならった形です。

処方制限は、薬物治療の組み立てを見直すきっかけにはなりました。
減薬してよかった例もあります。

一方、重度の患者さんについては、どのように治療していくのがよいか、苦慮しているところです。

私が、かなり心配になったのは、規制すると、その制限をかいくぐっていく人が必ず現れることです。
向精神薬の規制で不調になった人は、ごく一部でしょうが、違法ドラッグに手を染めることになるのではないかと危惧していました。

近年、覚醒剤が、比較的身近なところで使用されていることを知って、驚くことがあります。
近隣の公立中学に通う中学生が売買していたという話を聞いて、ビックリしました。

違法は違法として、対処するとして、行き過ぎた規制は、違法に向かう可能性があることを考えておくことも必要です。

アメリカでの禁酒法は、アル・カポネを中心とする、マフィアを台頭させました。
この数年、日本は徐々にタバコの値段を上げています。
私は、タバコを吸わないので、なくなる方がありがたいのですが、それでも、禁止にすると、やはり、別の弊害が出てくるのではないかと考えています。

現在の日本では、覚醒剤は、比較的容易に手に入ると聞きました。
芸能人は、特にターゲットになりやすいようです。
北朝鮮を通したルートが多いという話があります。

どこまで許容するのか、客観的に鑑みて、規制してほしいものです。