爆破事故により、前頭葉を破壊された症例

前頭葉を破壊されたら、どうなる?

脳の機能を推定するには、人の脳が損傷された場合に、以前とどう違うかということを調べることくらいしかありませんでした。

☆フィネアス・P.ゲージ(Phineas P. Gage、日本語ではフィニアスとも表記、1823 – 1860)の症例

1848年9月13日、25歳のゲージは、作業員の職長として、バーモント州の町カヴェンディッシュ (en)の外れで、ラットランド・アンド・バーリントン鉄道 (en)の路盤を建設するための発破を行う任務にあたっていました。爆薬を仕掛けるために、岩に深く穴を掘り、火薬・ヒューズ・砂を入れて、鉄の突き棒で突き固める作業を行っていました。

ゲージはこの仕事を午後4時半ごろ行なっていましたが、(おそらく砂が入れられていなかったため)突き棒が岩にぶつかって火花を発し、火薬が爆発して、彼がそのとき扱っていた直径1と4分の1インチ、長さは3フィートと7インチの道具が彼の頭部を貫きました。
鉄の棒は彼の顔の横から入り、左目の後ろを通り抜け、頭頂から抜け出しました。

ゲージは、当初、意識清明で、言葉も話しましたが、同年9月13日より昏睡状態に陥りました。
友人や看護師は、ゲージの死を予想していましたが、翌月に、彼は後に意識を取り戻し、歩行できるまでに回復しました。

Phineas_Gage_CGI

ゲージの人格的な変貌

1868年になって初めて、主治医のハーロウはこの症例の報告の精神的変化の詳細を明かしました。
ハーロウは事故以前のゲージが勤勉で責任感があり、部下の者たちに「非常に好かれていて」、部下たちはゲージのことを「雇用主のうちでいちばん仕事ができて才能もある職長」と見做していたことを説明しました。
しかし、この同じ部下たちが、ゲージの事故の後では、「彼の精神の変化があまりにも激しくて、元の地位には戻せないと考えた」のでした。

「彼の知的才覚と獣のような性癖との均衡というかバランスのようなものが、破壊されてしまったようだ。彼は気まぐれで、礼儀知らずで、ときにはきわめて冒涜的な言葉を口にして喜んだり(こんなことは以前の彼には無かった)、同僚にもほとんど敬意を示さず、彼の欲望に拮抗するような制御や忠告には我慢ができず、ときにはしつこいほどに頑固で、しかし気まぐれで移り気で、将来の操業についてたくさんの計画を発案するものの、準備すらしないうちに捨てられてほかのもっと実行できそうなものにとって代わられるのだった。知性と発言には子供っぽさが見られ、強い男の獣のような情熱を備えていた。事故以前は、学校で訓練を積んでいなかったものの、彼はよく釣合の採れた精神をもち、彼を知る者からは抜け目がなく賢い仕事人で、エネルギッシュで仕事をたゆみなく実行する人物として敬意を集めていた。この視点で見ると彼の精神はあまりにはっきりと根本から変化したため、彼の友人や知人からは「もはやゲージではない」と言ったほどであった。」

(Wikipediaより引用)

前頭葉の機能

事故以来、穏やかで親しみやすい人格者だったゲイジは攻撃的で抑制のない性格に豹変し、周囲を困惑させたと言われています。

前頭葉は、行動な判断と理性を司る分野だと考えられています。
特に、他の動物と比べて、人では、前頭葉が発達しています。