2019年3月30日
精神疾患の増加

かれこれ20年以上前から、精神的な疾患で受診する方が増加しているように感じています。

疾患についての理解が深まったことと、昔は、受診するにも精神病院くらいしか選択肢がなかったのが、隠れ家的なクリニックも増えて、受診に対する敷居も低くなったものと思われます。

複数の疾患の受診が増加していますが、まずは、「うつ」でかかる人の数が増えたことがあげられると思います。

うつ病は、昔からありました。
加えて、悩み事があると、うつ状態になることもよくあります。
病気、家族の死、失恋、挫折などで、うつになることは、人生の中で起こることは一般的です。

ただ、これは、「時間が解決する」と言われ、以前はあまり治療の対象になりませんでした。
確かに、現在でも、失恋自体は病気ではなく、人生の1コマであり、自然に消化して、乗り越えることが一番だと思います。

しかし、状態があまりにも悪く、病的に衰弱する場合や自殺に至りそうな場合、周囲に多大な影響を及ぼす場合に、相談されるケースが多くなります。

労働問題で言えば、一般的な職場で、100人に2人くらいは、休職してもおかしくない状態になりました。
その頃から、労働に関する悩みでの受診が急激に増加したように思います。

厳しい職場では、100人の内、5人以上が休んでいます。
これと同等か、超えるレベルになると、職場におけるストレスが、その人の耐性を超えているケースが増えているのではないかと考えられます。

破綻前のギリシアで、数時間の昼食で、酒を飲んで、リラックスできる状態であれば、ストレスはそうかかりません。
(それがよい、悪いとは言及しません)

日本でも昭和の時代にブラック的な働き方をされられることがよくありました。
平成になって、バブルの崩壊とともに日本人の価値観も変化したのかもしれません。

同時に企業の査定も厳しくなり、組織になじめなかった人を置く、「窓際族」という言葉がなくなりました。
企業にそういう人を続けて雇用する余力がなくなったのかもしれません。

窓際族は、いつの間にか、「リストラ」という制度によって、排除される傾向が明らかになりました。

職場におけるプレッシャーが高まっている一例かと考えます。

また、発達障害という概念が世の中に広がったため、そうした障害に対する受診が増加しています。
都市部では、発達障害に特化したクリニックも存在するようです。

うつ」と「発達障害」が2大牽引要素になっているようです。