2019年6月23日
働き方改革の裏側

働き方改革がうまく機能した例があります。

一方、問題には裏表があります。
その改革のウラには別の問題が隠されています。

企業活動は、賃金の高い正規社員では回らないため、賃金の低い非正社員も雇用して補っています。
非正規社員は、基本的に残業をさせられないため、正規社員の残業時間が多くなっていました。

働き方改革で、正規社員の残業時間を減らすということは、非正規社員の雇用を多くすることにつながります。
人件費の支出で言えば、そうせざるを得ないということになります。
(本当に経営が危機的な企業では、正規社員のリストラが行われます)

非正社員の雇用を増やすと、人手不足になります。
だから、体力のある企業では、非正社員の給与を上げることで、急場をしのぐことができます。

企業全体では、非正社員の比率が増えるということです。

もう、ずっと前から、非正社員の給与が安いということに気づいている企業では、うまく教育することで、非正規でも仕事ができるようにしています。

飲食店では、そういう傾向が強く、正規社員1人に対して、非正社員が30人存在する企業もあります。
店舗では、店長という名の正規社員1人で、他はパートという状態のところも多いと思われます。

非正規社員は、労働の調整弁ということでは、実にうまくできています。
人件費のコストを抑えるだけではありません。

企業の業績、あるいは、店舗が不採算となった場合、解雇となるのは、非正社員からとなるのです。

これは、業種の不振による場合だけでなく、世の中の景気が悪化した時にも役立ちます。
また、人手不足で賃金上昇圧力がかかった時は、人よりロボットを採用して、人件費を節約します。

日本の人手不足に対する危機感は、まだ足りていないように思われます。
手段があれば、AIで操作するロボット入れていけばいいことです。
現に回転寿司では、シャリを握る、寿司ロボットが活躍しています。

600万円ほどする、たこ焼きロボットもあります。
これも、人件費が年に300万円であるならば、ロボットを購入すると、2年で元が取れるという謳い文句が効いています。

今後、ロボットを積極的に導入すれば、外国人労働者を入れるまでもなく、問題が解決する可能性があります。
人である、外国人労働者を入れた場合は、将来の禍根となる畏れがあります。

すでに、就職氷河期の世代を中心として、非正規社員の雇用が問題となっています。