2020年7月15日
発達障害はペットにもあるのか?

前回、動物の精神疾患のお話をしました。

今回、犬や猫に関する発達障害についてのお話です。

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まず、犬と猫では、教育による行動の変化に違いが生じます。

犬は、「教育の仕方」により、大きく変貌します。

しつけができていない犬は、問題行動が多くなります。
障害があるのか、あるいは精神病なのか区別できない事例もあります。

一方、猫は、「しつけができない」と言われています。

実際にはいくらかの訓練や教育はできますが、猫にとってストレスになり、一概によいと言えないようです。

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さて、犬で多くみられる発達障害として、
ADHD(注意欠陥・多動性障害)があげられます。

多動な子が相応の割合で見られます。

また、興味を別のことにそらすと、前の興味や行動を忘れることが多いようです。

多動と忘れがADHDの特徴と合致します。

適切なしつけによっても矯正されない場合は、発達障害の可能性が高くなります。

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一方、猫は生来、犬と異なった性格を持っています。

・群れではなく、個で生きる子が多いこと

・犬は人になつきますが、猫はひとりですごしたい時間が多いこと

・好きな人にはなつきます。そうでない人には興味を持ちません。

・猫同士が出会うと、目をそらすことが普通です。目を合わせると、激しいケンカになることがあります。

・飼い主に気に入られようとするより、自分の好きなように遊びます。ひとり遊びもします。

こうした傾向から、猫は、人でいう、「自閉症スペクトラム障害(以前アスペルガー症候群と呼ばれていた障害)」に近い性質を持っていると言えます。

猫も、当然のことながら、環境によって、性質が変わります。

また、個体差により、飼い主になつく子とほとんどなつかない子があり、その度合いは犬と比べて差が大きくなります。

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こうした発達障害あるいは、個性は、薬によって変えることができません。

うまく適応させていく環境作りが大切になります。