2014年9月27日
紹介状と診断書の違い

時々、認知症対応の施設に入所するために、家族に認知症であるという診断書の提出を求める事業所がある。
認知症対応型グループホームにこうしたケースが多いと思われる。

ご家族が診断書を求められる場合に、そうであると診断できる場合には、即日に診断書を作成して手渡している。

一方、ややこしいのが、施設で作成した書類に書かせようとする場合である。
書く内容が多い上に、書式がバラバラである。

ちょっと記載量の多い診断書を作成したら、施設から苦情の電話があった。

「あれは、紹介状にできないのですか?他の医療機関では、紹介状にして下さっているのに」
という内容だった。

すべての医療機関が紹介状にしているかどうかは、あずかり知るところではない。

しかし、紹介状には基準がある。
何の基準かというと、「診療情報提供書」という保険診療が使える内容かどうかという基準である。

残念ながら、苦情を申し立てた施設は、そういう基準に達していなかった。
こちらから、紹介状を書いてほしいと言えば書くのだが、施設が一律に決めた書類は、そうではなかった。

紹介状(診療情報提供書)には、まず、宛先があることが好ましい。
次いで、病名、病歴、投薬内容などについての内容があること。

一部は満たしているか、保険適応にするのは、そぐわないと判断した。
こういう所は、私が融通が利かなくて、きまじめな所なのかもしれない。

他の医療機関が紹介状にしてほしいと言われた時に素直に従うのには、理由がある。

紹介状は、保険がきくが、実入りは2500円である。
一方、診断書は自費だが、その金額に満たない。

だから、診断書よりも紹介状にする気持ちは分かる。
お互いの利益になるからだ。

私は、事業所に、保険のきく紹介状にするためには、最低限いくらかの書式をかえていただかないといけないことを説明した。
そうして、医療保険を使って問題のない書式にしてくれたら紹介状にする旨を説明した。

いくつかの説明をして、事業所も何かを参考にしたのか、書式を変更してきた。
これによって、紹介状とすることができるようになった。

認知症であるならば、多くの方は高齢であるため、自己負担は、1割の250円。
一方、診断書だと2000円くらいになる。

私も負担をかけるつもりはない。
お互いの勉強と連携がないと損をする。