2020年5月24日
覚醒剤の検査

 病院勤務時代の話である。

 深夜2時頃、警察から、覚醒剤の尿検査をしたいから容疑者を連れていくと連絡があった。
 書類を作成するのに30分くらいかかるから、と少し間を空けて来院した。

 30歳くらいの細身のスーツの男性が4人の警官に連行されてきた。
 裁判所の令状をとり、強制的利尿を行う旨が示された。
 令状を渡す様、空の容器を受け取る様、容器を水洗いする様を写真にとられる。

 そして、ネラトンカテーテルを挿入するも、抵抗あり。
 太さをかえて再度試みるも、排尿なし。
 泌尿器科の先生を呼ぶかどうか迷うが、警官が「痛い思いをせんと、自分で出してみ」と容疑者を説得してトイレに行くことになる。
 そこで、容器を持った容疑者との写真をまたとられた。
 しばらく躊躇していた風もあったが、容疑者は、採尿を行い、後は尿反応を調べることとなった。

 トイレから診察室に帰って、容疑者はまた写真をとられ、容器を持っていたが、持っている手が小刻みに震えていた。
 腕と足の入れ墨がたよりなげに見えた。
 タトゥーの絵は雑で完成していないようだった。

 検査キットは試薬のボトルが8つくらいあった。
 それらを小さな注射器ですって、少しずつ落とし、混ぜ合わせているようだった。
 最後に、4つの穴(4槽)に容疑者の尿を入れ、試薬を落とすと、3槽を中心として、4槽、次いで2槽に濃い青色の陽性反応が現れた。

 検査が終わると、「3時49分、逮捕する」との合図にて容疑者に手錠がかけられ、縄をくくりつけられた。

 最後に、記録用紙にサインと判を押した。また、尿の入った容器を封筒に入れたが、封筒には提出者として名前と判だけでなく、継ぎ目に割り印をさせられ、厳重に封をされた。
 夜中に2時間くらいの時間をつぶされた。

 ちょっと変わった体験をした。